わたしの万博

 完全に時宜を逸した話題だが、大阪の人間として「万博」のことに触れないわけにはいかないだろう。

正式名称「大阪・関西万博」

開催期間:2025年4月13日~10月13日 計184日

 開幕前、あるいは開幕当初はネガティブな評判・報道に溢れた万博だったが、終わってみれば「万博ロス」というワードが巷に溢れるほど好評のうちに閉幕していた。
 ちなみに私の住まい「大阪市住之江区」と「万博会場」の位置関係はこちら。ニュートラム(モノレール)と地下鉄を乗り継いで約30分くらいの距離だった。

 期間中、私が万博を訪れたのは合計7回。職場でもらったチケット2回で好感触を得たあと、自前でチケットを購入(一日券2回、夜だけチケット3回)したのだった。

 「ガチ勢」でもない私が「万博」のことをイロイロ言うこともできないが、率直な感想として「これだけ盛り上がるとは想像していなかった」
 今や最新技術とか最新の映像コンテンツはネットが舞台で、全世界に同時配信といった類が当たり前となっている。
 万博のような「展示・来館型」のイベントが、「未来を思わせるコンテンツと称して」どれほど盛り上がるのだろうかと懐疑的だった。

 しかし、ふたを開けてみれば真逆の展開。「混んでいる」「予約が取れない」といった状況の中、人々がこぞって集まってきた。通い続けた。終わりが近づくと開催延長を望む声もあがった。閉会日のイベントでは号泣する人も出た。なんなんでしょうね。

 個人的なことを言えば、先の文章で「好感触を得た」と書いたのはパビリオンなどの展示内容より「あの会場の雰囲気」だった。
 確かに混んでいる、人気のパビリオンの予約は取れない、待ちの行列もあちこちでできている。。。でも、「みんな楽しそう」なのだ。

 そして、話題の大屋根リングから会場を一望すれば、世界各国があの輪の中に集まっている、賑々しく隣り合っている、という状況。
 現実の世界では相変わらずあちこちで紛争が起きている現状を知ればこそ、こみ上げてくる想いもある。

 万博なんて今さら・・・って思っていた私の認識は間違っていた。これだけ盛り上がるイベントには何かしら人々を魅了する”一定の真理”があるのでしょう。「明るい未来」「平和な世界」、ありていに言えばそういった希望を感じさせる楽しい国際イベントなのだと思う。っていうか、そういうイベントに仕上げたスタッフさん達に「最敬礼」なのだ。

 「万博のレガシー」という話題がある。後の世に何を残すか・・・というお題だ。大屋根リングを残すとか、会場跡地をどうするか、とかいろんな意見が出ているが、少なくとも今回の万博に感銘を受けた老若男女の心には、すでに「レガシー」なるものが宿っていると思われる。

 そんなこんなをつれづれ想った。それが「わたしの万博」だった。