最近、脳みその話が面白い。脳みその話というのは脳科学の知識をわかりやすく解説している本だ。結構な種類が出てる。
そんな中、普段の暮らしの中で感じる緊張や不安というのは脳が起こしているバグだというお話。これがやたらと腑に落ちて面白いと思った。
人間の脳は、生存するための選択を常にしている。そのため、生存の危機になるような現象・事象に遭遇したとき、その現象・事象を避けるように機能する。
脳内物質の放出による緊張や不安、あるいは「これはキケンだ」と認識し今後回避できるように記憶への刷り込み、注意喚起を行っている。
それは人類が誕生した当初に形成された脳みその機能だ。
人類が誕生した当初、原始の時代の生存の危機といえば、猛獣に遭遇した時、あるいは集団生活していたその集団からはぐれたとき、人は自らの生命の危機と認識していた。
現代生活で緊張や不安に感じるシチュエーションはどうか。例えば、怖い人にあった時の緊張、所属する集団、社会から孤立することへ不安。こういった状況はだれしも経験がある。
これらの緊張、不安というのは自分の生存の危機を感じ取った脳が、昔ながらに培った機能を発動させているというわけだ。
だけど、原始の世界ならいざ知らず、現代社会においてこれらが生存の危機か?そんなことはない。これは脳が過剰反応しているだけ。つまり脳が起こしたバグなのだ。
悪い思い出が記憶に残りやすいこともそう。悪いこと、今後避けたい、脳が記憶の刷り込みを行う、忘れられない。いやいや、別に忘れても生命の危機にはならないから、悪いことに注目して憂鬱になるのはやめようよ。
自分が思っていること、感じていることがすべて事実と思ったら大間違い。あくまで脳が関与していることを前提すれば、「オイオイ、そこまで反応する必要ないだろう」的なことが実に多いことに気づかされる。
脳は間違える。
この前提を踏まえると、見える世界も違ってくるのでは、とも思ったよ。