モノ忘れと認知症のはざま

先日の日曜日、お袋さんと同居する姉貴から電話あった。
珍しいと思うとともに、お袋さんの急変か、と思いドキッとしたがドキッとしたのは姉貴の方だった。

彼女いわく「お袋さんの言動がおかしいのであなたからも電話してやって欲しい」とのこと。

ちなみに私とお袋さんは定期的にメールのやり取りもしているし、必要に応じて電話もしている。最近では数日前に電話で話したばかりだ。

詳しくきいてみると、「お袋さんが病院に入院していたとき、仲良くしていた人に連絡を取ったら、その娘さんが出て”仲良くしていた人は亡くなった”とのこと。このことを聞いてショックで泣いていたと思ったら、食べた食事のことを忘れて”食事はまだ?”と(姉貴に)聞いてきた」とのこと。

姉貴はびっくりして、食事はすでに食べたことを教えたが、お袋さんは「あぁそうだったっけ」とぼーっとした様子。姉貴いわく「仲良しの人が亡くなってショックだったと思う。あなたからも電話で話をしてやってくれ」というわけだ。

すかさずお袋さんに電話したが、姉貴の報告とは違って元気でしっかりした口調だった。「心配かけてすまないね」と。。。

いろいろ調べてみると、認知機能の低下の原因には心理的なストレス、不安なども大きくかかわっているらしい。今回はその要因が大きいと判断するが、引き続き気になるなら「物忘れ外来」という医療機関で見てもらって早めに対処するように姉貴とは相談をしている。

今回の件で思ったが、本人もそうだとは思うが、一緒に同居する姉貴にとってもビックリしたことだろう。一般的に「食事をとったことを忘れる」 イコール 認知症の発症 っていうイメージがあるからね。

でも、考えてみたらうちのお袋さんは今年で89歳だ。
モノ忘れがひどくなってもおかしくはない。実際、毎日定期的に飲んでいる薬を飲んだかどうか、一瞬、忘れたりもするらしい。そういうときは薬の袋が捨てられているかどうか、などの痕跡を確認するのだが、今回は食後の薬を飲むかどうか・・という場面で、ハタと「あれ食事したっけ?」となったようだ。

「食事したっけ?」

高齢の親と同居する家族にとっては間違いなくドキッとする言葉だ。