その後の顛末。。。結局の落としどころ

相手の部長とこちらの常務の間で交渉が始まった。過去に何度か面識があるウチの常務に相手の部長が直接泣きついた構図だが、今回の件では常務も“怒れる上司”の一人。簡単には折れない。交渉途中の情報はリアルタイムでは私には落ちてこないが、後で聞いた話を繋げるとこうだ。

最初は向こうも手の内を見せずに「何とかならないか」という素振りばかりだったので、冷たく「報告は聞いている。そもそも業務の内容が増えているのに、逆に2割減というのはどういうことか説明をいただきたい。少なくとも今年1月の段階で当方は担当課に仕様増を踏まえた上でコスト削減を盛り込んだ見積もりを提案している。」と、突き放していたようだ。が・・・しかし、相手が「その金額では社内が通らない。なんとか今回は」と、さらに泣きを入れてきたようだ。(我々にはその額で受けざるをえないと言っていたくせに・・)常務は「だからといって今年の額から2割減というのはありえない。そっちはいくらなら社内の説明できるのか?」と聞き返すと、「今年と同額」と手の内を明かしてきた(2割減は完全なブラフが確定)。

おそらく、担当課は業務内容に従って増額した予算要求(今年度の1割程度増)した。我々にもそう説明していた。次に財務や外注契約を担当するセクション(今回の窓口)が各課から上がってきた予算をまとめ、予算調整や外注先との価格交渉をするのだが、この段階で全社的に前年度並みにコストを抑えよという方針があったのだろう。現場の担当課の予算要求を無視し、「俺たちが削ってやる」とばかりに予算をぶった切り、外注業者たちには大幅な値切り交渉をしかけているのだ。今年度の契約額にケチを付けて、極力低い提示額から交渉をスタートするという作戦だったのだろう。そして、その作戦が通じる外注先もあったのだろう。が、しかし、我々に対しては完全な悪手。読み違い。裏目だ。

むしろ、1月頃に提案したメニューの一つには、業務の実施時期をずらすことで、来年度の予算額を今年度と同額並みにする提案を我々はしていたのだ(担当課が難色を示して不採用になった)。だから、最初に「仕様増の事情も知っている。しかし、予算的につらいので何とか今年度並みに抑えられないか」と相談されたら、このメニューを提示するとともに協調的な経費削減の相談もできたのだ。全ては後の祭り。常務達の空中戦の話に戻ろう。

常務は新しい業務が増しているのに今年度と同額とはどういうことか、しかも増加しているの我々に入ってくるお金ではなく、御社が使っている業者への外注費だ、と厳しく攻めた。しかし、半日ほどやりとりをして、常務はこの部長を叩いてもこれ以上はラチが明かないと判断したようだ。落としどころを、この業務から撤退はしない、今年度と同額に近くする、我々の損も最小化する、と定め、現場のわたし達に何とかしろと言ってきた。ここで怒れる我が上司との口論も発生したが、一つの切り札があった。それが先に提案したヤツ。「仕様変更」を行い、業務の実施時期をずらすというものだ。常務から相手の部長に提案メールが渡った。

この提案に相手の部長は飛びついた。このメールから一日と経たずに業務担当の部長課長たちを説得し、我々の提案した仕様変更を行い、今年度と同額とすることとなった。

我々の実害はほぼなくなり、翌年度にまわした業務を遂行するため、相手は我々に継続して依頼するしかない、という我々にとっては安定的に継続受注できるという仕様になった。見方を変えれば我々のwin-winだ。

今はこの契約手続きの真っ最中。今回の件では久しぶりに平日・休日、昼夜関係なく仕事のこと(この問題)を考えさせられ、私もいろいろと勉強になったよ。でも疲れた。ほんとに管理職って面白くない大変な仕事が多い(ため息)

 

 

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