タダほど高い代償はない。

我が家のカオスっぷりはデュアルも良くご存知の通り。多少のハプニング話ではデュアルの眉毛がピクリとも動かないだろう(笑)

という前振りをあえて書いたのは、「想定外」の過酷なイベントに参加したからだ。

コロナで底冷えした景気の良い話をなかなか聞けない昨今、ご近所にラーメン屋がオープン。まぁこれだけでも十分明るい話題でござんすが、なんとオープン初日、限定200食ラーメン一杯「10円」で食べられるというのだ!!!

いやぁ〜めでたい話ではないですか。しかも日曜日。12時のお昼時に合わせてのイベント。最高です。お祭り好きな私が放っておくわけないでしょう(笑)。

とわいえ、立春を過ぎたとわいえ極寒には変わらない。今時早朝は零下、日中でも3、4度という気温。うーむ。200食ってあっという間に埋まってしまうだろう。いや待てよ、都心ならともかくここはベットタウン。田舎だ。そんなに焦って10円ラーメンに群がるだろうか・・・いや群がるだろうな・・・いや・・・。

というギリギリのバランスを踏まえ、弾き出した答え。

・当日、雨だったら無し。

・雨を回避しても、家族の誰か体調不良なら無し。

・そんなに長く並ぶ根性は無いので、1時間が限界。11時に出向いてすでに200人以上並んでいたら無し。

といった幾つかの条件を設けた。俺の頭の中で。家族はそもそもこの情報すら知らない。

2月6日の朝を迎えた。

快晴だ。

家族の体調も良く、朝ごはんは8時には食べ終わり、掃除洗濯、勉強とこなし、いよいよ「お昼どうしようか」という流れで俺は口火を切った。

俺「よし!10円でラーメン食べるイベントに出かけるぞ!」

家族「・・・は?」

驚いた表情の猫の顔クロースアップ写真

俺は「11時の段階で、まぁすでに200人以上並んでいるだろうけど、ネタとして現場を見るだけでも楽しいじゃん、その後、どっかその辺でご飯を食べて、ウォーキングして帰ろう。」と軽く事情を説明。

お昼ご飯が家族四人で四十円!こんなに家計に優しいイベントが他にあろうかと豪姫はメッチャ乗り気。子供たちも新装オープンのラーメンを食べるイベントとして大いに盛り上がっている。ここまでは思惑通りだ。皆お祭りネタに飢えている(笑)。いざ出発。

駅から20分前後離れた場所にラーメン屋はあった!

うわーものすごい並んでる。

豪姫「いやこれ凄いね、(ヾノ・ω・`) ムリムリ」と鼻から諦めてお店の前を通り過ぎようとする。

それにしても凄い行列だ。まぁ1時間前に来ても食べられるわけはないか。一体何人並んでいるのだろう1234…と数えていると、

ん?100人前後なんじゃない?これいけるんじゃない?

実際数えるとまだ200には到達していない可能性が出てきた。

そうこうしているうちにどんどん列は埋まっている。

俺「いや!まだいけそうだぞ。今数えたら100人ちょいだろ?」

豪姫「えぇぇ?ほんとーーーー」めちゃ喜んでいる。

最後尾のプラカードを持っているお兄さんに聞いてみる。

俺「まだいけそうですか」

お兄さん「はーいどーぞ。大丈夫ですよー」

俺「俺たち4人で・・・いま何人くらいなんでしょ」

お兄さん「128ですねー」

ほーーーら!間に合ったWWWWWすげーーーー。お父さんすげーーーー。

いやぁこの時が一番嬉かったね。

その後あっという間に200人は埋まってしまい、おそらく周辺の地元の人たちも一部の強者を除いては1時間くらいなら並んでも良いと思っていたのだろうかWWWW辛くも我が家は10円ラーメン券を4人分ゲットできたのだ。

10円と引き換えに簡易チケットをもらう。白は豚骨醤油(ばんから)ラーメン、赤は味噌ラーメン。

ぞろぞろ人が集まってきては最後尾のプラカード「終了」を見て残念がって帰っていく。うーん、全然心苦しくない。こんな時間に来ても食べられるわけないだろ。ざまーみろ。勝ち組じゃ(笑)

開店30分前でもぞろぞろ人が集まってくる。ヤンキーやらカップルやら・・・そもそも限定200食って書いてあるのに、開店30分前に来るとか甘い!甘過ぎなんじゃ!。

「私、この土地に住んでずーっとお店できるの楽しみに見てたんです!」と意味不明にごねて列に並ぼうとするババァ。てめぇそれを割り込みというんじゃ。帰れ帰れ(笑)

さて、実際並んでいると、寒い!本気で寒い。おそらく2、3度だけど風がビュービューと吹き抜け体感温度は「極寒」!それでもあと30分も経てばオープンだ。体温が奪われるが、心は折れていない。

そこへお店の人たちからありがたい差し入れ「ほっかいろ」が配られた。なんという優しい配慮だ。まぁ勝ち組の人たちは皆和気藹々ととしている。WWWW

さぁいよいよ12時だ。

・・・・・あれ?

12時5分・・・あれ?

12時10分・・・あれ?

一向に列が前に進まない。なんかセレモニーでもやってるの?

12時20分・・・ようやく列が動いた・・・止まった。2、3人分前に進んだだけ。

おかしい。

周囲もざわつく。

一真が代表してハッピを来た店員さんに様子を伺ったところ、満面の笑顔で「はい。予定通りオープンしてますよ」との返事。

この時まで気がついてなかった。オープンと同時に飯が食べられると大誤算をしていたのかもしれない。もしこの時点でお店が満席だとすれば一人ラーメン10分で食べたとしても、120人待ちとすりゃ、これから単純計算で120分待たなきゃならないのでは無いか?ラーメンを作る時間もある。15分の人もいれば20分の人もいるだろう。そうなると200分、300分・・・お、恐ろしい!

周囲のざわつきを掻き消すような仮説を俺が豪姫に説明していると、前に並んでいた家族が聞き耳を立て、目を丸くして

「お兄さん、それだよ!」

とようやく事態を把握した様子。

そう!お店は予定通り12時にオープンしたのだ。

参った!想定外だ。考えてみればそうだ。ここはラーメン屋だ。普通のレストランのような集客がある訳ではないのだ。

あー12時になったらラーメンが食えるというのはとんでもない誤解だったのだ。

行列には腰の曲がったお年寄りや幼稚園児もいる。皆気が付いていないのだ。列が進んでいないことで腹を立てて帰る人もいたが、「10円で食べられるなら何時間でも待ちましょう!」というのが並んでいる人の総意なのかもしれない。

少なくとも我が家はこの時点でオープンまで1時間待ち、オープンした時点でこの行列は120人待ちの列となった・・・という現実に気がつき唖然とした。

僅かな時間差で遠く果ての200人目になった人は、さらに我々より80人も待たなくてはならない。いやぁ想像してよ。普通レストランの行列なんざ5人、10人。ラーメン屋でも20人も並んでりゃ大騒ぎでしょ。想定の桁が違うのよ!単に飯食うのに120人待ちとか・・・。

あ”ー、、あとはもうただひたすら寒さに耐え、待つのみだ。

待つのみ

待つのみ

ひたすら牛歩のような足並みで進むこと、ようやくお店の前。この時点で14時。オープンから2時間(オープンまで1時間並んだのでトータル3時間も並んだ)でようやく自分の順番だ。心底冷えた。萎えた。足も棒だ。こんな長い時間ディズニーランドでも並んだことはない。想定してこんなに待たせるなら整理券とか配れよボケ、コロナ禍で風邪ひいたらどうすんじゃい!ホッカイロで喜んだ俺が馬鹿だったわと俺の邪神は呟いていた。

でも、案外と子供たちは楽観的で、こうして待っている時間も楽しかった様子。それはよかった。

店内は天国のようだった。換気も良く、なにより暖房がありがたい。

窓の外には寒空の中、残り80名の人が列を作って待っている。向こうから反射して店内は見えなかったけど、店内からは行列がよく見える。暖房の効いた真新しい席に座り、待っている人をツマにゆるゆるとラーメンを啜る。

一杯の10円ラーメンが心底美味かったのはいうまでもない。WWWW

俺って面白いだろWWWW

教訓:タダほど高い代償はない。

“タダほど高い代償はない。” への1件の返信

  1. 相変わらず「ちびまる子」か「クレヨンしんちゃん」のエピソードにありそうな日常をリアルに送っているram家に乾杯!!

    ramの時給を3千円とすると、並んだ時間の3時間は9千円の価値。その報酬がラーメンっていうのは。。

    はっ ( ゚Д゚) !!

    家族の笑顔。。。プライスレス・・・

    そうか。。プライスレスなのか。。。

    心温まるエピソードをありがとう。

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