いまさらバイク その5

かくして普通二輪免許を取得。
バイク乗りの世界に入門することになって思うことを書こうと思う。

動機はチャリンコから始まったわけだが、そのとき思い描いた「楽しそう」「爽快そう」といったイメージ、間違いなく今後の生活に新たな「彩り」を与えてくれるだろう、という思いは変わらないが、それよりももっと強いイメージがある。

それは 「事故」、「怪我」、「死」などなど、縁起でもない、ネガティブなイメージだ。
これが免許を取得した今のホントの気持ちw

そもそも移動手段としてのバイクとはなんぞや?
四輪の自動車は、運転手いらずの自動運転を目指してまっしぐら。電気自動車など環境にもやさしい乗り物になろうとしているのに、バイクは真逆の状況である。人間が乗って走らせないと進むこともできないし、自分でバランスを保つこともできない。

そんな不自由な乗り物、しかも200kg前後の鉄の塊に人間がまたがり、すさまじい速度で走行するのに、安全はまったく補償されない乗り物。例え、バイクが交通ルールを完全に守っていても、車に突っ込まれたりしたら重大な損害を受けるのはバイクの方なのだ。
その損害というのが「死」である。

試しにyoutubeで「バイク 右直事故」で検索してみて欲しい。

そこに映し出される事故シーンについて、もし自分がバイクの当事者だったとして、その事故を避けられる と思えるシーンが何個あるだろうか。。。ほとんどない。

これは教習所でも教えれたことだが、「公道であなたのバイクは誰からも認識されていないと思いなさい」という状況が現実にある。
直進のバイクと、対向車線の右折の自動車が衝突する「右直事故」。この原因のほとんどが、自動車側がバイクを認識していない、あるいは、バイクが”こんなに速く”来るとは思わなかった というものだ。バイクからしてみたら、「こっちは気づいているのに、何で右折してこれるの?」だ。 でも、そう思う暇も無くバイク乗りは天国に召される。

過去のデータでは、日本全国で右直事故は一日20件以上発生しているらしい。

こういった事故を回避するためにバイクはどうしたらよいか。

自動車の運転で培った「かも知れない運転」のスキルをさらに数段みがく必要がある。
「かも知れない」ではなく、「(来る)だろう」と思って運転するのだ。

先の右直事故の例でいうと、交差点で対向の右折車両があるかどうかを早めに確認、確認したら(確認できない場合も)右折してきても止まれる速度に落として交差点に進入、だ。

でも、実際には交差点に進入するたびにそうそう速度も落とすわけにもいかない。この辺は、バイク乗りとしての「勘どころ」を磨いていく必要があるだろう。

私もバイクにスピードは求めていない。
自分のペースで快適に走れればよいのだ。

しかし、どんなに安全運転をしても予期せぬ事故というものは起こりうる。バイクの場合、それが車より「危険な結果」になるということだ。

人の健康寿命は70歳くらいといわれている。私の場合、幸いにも「まだ」健康寿命の期間中だと思う。が、しかし、バイクの世界に入門したことで、いつでも健康寿命が断たれ、寿命さえも断たれる可能性が出てきたことは間違いない。

そのことを肝に命じてバイクに乗ろうと思う。

バイクは11月中旬に納車される。納車といっても、店から自分で持ち帰ることになっている。車ならなんてことはない20~30キロくらいのルートだ。しかし、大都市・大阪の街、都市高速を免許とりたての私が走るのだ。緊張しない方がムリ、というものだ笑

今回の書き込みをもってバイクネタは一区切りとする。無事に納車できたら、そのときは書き込むよ。

くれぐれも、「この書き込みがデュアルの最後の書き込みとなった」 とならないようにねw

いまさらバイク その4

「ドライブスクールに集う人たち」 ざっくり言うと・・

教習生たちは、やっぱり若い人が多かった。それと女性も目立ってたな。普通二輪はもちろん、大型バイクの教習でも多かった。みんなちっちゃい身体で、あんな大型バイクによくチャレンジするな~、と私は感心していたよ。

教官たちも丁寧な口調の人や粗い口調な人、いろいろいたw。びっくりするほど横柄な人とか鬼軍曹みたいな怖い人とかはいなかった。

そんな人たちの中で私はというと、「一番声を出していた教習生」と自負している笑

最初の教習で面食らって、それ以降は”必死のパッチ”だったから自然と声も出たんだと思う。

待合室に入るときは「ちわーっす!」(誰に向かってということはない)、教官が現れれば「こんにちはー!」。元気にあいさつ!

2回ほど体験したシミュレーション室の講義での話、3名の教習生と一緒に受けるのだが、教官の話に、「ほー」とか「へー」とか、「なるほど」といった具合で合の手を入れるのは私だけみたいな状態。

終わった後に一緒になった教習生に「お疲れ~」とか「今、教習度の段階?」と聞いたりするのも私から話しかけるというパターン。

・・・こうして思い起こしてみると、緊張していたし、テンションが自然と高くなっていたかも知れんw

 周囲の反応はというと、ほとんどが挨拶くらい返してくれるけど、やはり若い人はリアクションが薄いパターンが多く、オッサンほど話しが弾むことが多かった。

 少し印象的だったことを書くと、「昔ながらの指導員といった感じの荒い(フランクな)口調の教官」と、「強い口調になれていない若者・とくに女性」の組み合わせはちょいとキビシーなぁと思うシーンが何度かあった。

 例えば、若くて小柄な女性の教習生に対して、「もっとバイクを倒して!いいからもっと倒して!」と教官が叫んでいる。教習内容は「スラローム」。スラロームは、等間隔に置かれたパイロンの脇を右に左にヒラヒラとすり抜ける教習だ。
 ここはすり抜けるのに時間制限があって、時間オーバーは1秒ごとに減点が発生するコースなんだけど、そのためにはバイクを倒しながら右に左に曲がる練習が必要なんだ。

 でも、その女性の教習生、明らかに「バイクを傾けること」を怖がっていて、どんなに教官が叫んでも指示通りの「バイクを倒す」ことができない。結果、どうしたらよいかわからないようで、とうとうバイクを停めてしまった。。。

そのうち教官も「日本語わからんか?!」などと煽りを入れる(冗談のつもりだろうけど)。

 当然ながら生徒は固まったまま。教習の時間は過ぎていきタイムアップ。おそらく、その教習生には「補習」がついたことだろう。

 指導のスタイルは、スクールによっても違うし、同じスクールでも教官によって異なることはわかるが、なんとかもっとうまいことできないものかねぇ~と思った。

教官は常に同じ教官ではないから、「補習」のときの教官がフォローしてくれていればよいのだけど。。

 教習時間17時間、私は補習が一ヶついたから18時間という短い間だったけど、教官と教習生という世界にこの年齢で飛び込んだことは貴重な体験だった。
 ちょっと引いた目でみたら不思議な感じがする。オッサンの教官とはいえ、俺からしたら全員年下の可能性が高いw
 でも、年齢関係なく教官と生徒、年齢に関係なく同じ生徒同士・・といった構図がドライビングスクールにはある。教習中は必死だったけど、まぁ楽しい一時だった。

 もう少しつづく。。と思う

いまさらバイク その3

バイクの教習は1時限1時限ずつ、それぞれ目的が設定されていて教官がOKと判断すれば次に進む。しかし、OKをもらった教習生(私)からすれば、単に“言われたことが出来た”だけで、その技術が身についた実感があまりないのが正直なところ。

しかし、そんな教習生に構っていられないのもわかる。スクール側からすれば決められたカリキュラムを行い、出来たら次のプログラムに進め、お客(教習生)の回転をよくする、だけなのだ。

こうなったら自分で何とかするしかない。自分で予習・復習をするのだ。

しかし、当たり前なのだが手元にバイクがないので自宅で練習なんてことはできない、免許がないのでレンタルすることも出来ない。バイク持ちの友達も身近にいない。

しかし、youtubeを覗けば出るわ出るわ「バイク教習の動画」!

これら動画を片っ端から視聴することはもちろん、気に入ったものはスマホに一時保存して繰り返し視聴した。

また、無料の電子書籍でも「バイク教習」に関する教本や体験記がたくさんでてきた。これも片っ端から読破した。

あと、教官から強く言われていることに「走るコースを覚えとけ」ということがある。教習内容によって走るコースが変わってくるのだが、いちいち教習時間に教えてもらっていては時間の無駄というわけだ。

なので、全ての教習コース(全8コースくらい?)を職場でスキャンし、プリンターで打ち出してから、蛍光ペンで塗り分ける。塗り分けた教習コースをスキャンしてスマホに保存し、次の教習コースを事前に確認し、覚えた。

さらに各コースでやるべき動作をテキスト化する。例えば、「右カーブ、シフトダウン、四視線は前、リアブレーキ意識」などなど。。コース走行の脳内イメージをアウトプットし、予習・復習をするとともに読み上げアプリで音声化し、それを繰り返し聞きながら頭にすり込むわけだ。。

具体的な動作について、アクセルワークの練習のために手頃な筒状のモノ(私の場合、ハンディタイプの扇風機の柄)を常に通勤鞄に忍ばせ、人目を忍んでアクセルを微妙に回すフリをするなんてこともした。それから、体幹を鍛えるため運動も始めたなぁ。。

あと、街中でバイク乗りを見かけたら“ガン見”で観察した。尊敬の眼差しでw

どの努力が“功を奏した”とは言えないが、教習中の自信のなさは最後まで消えなかったものの、最後の最後、第二段階の見極めのときと次の卒業検定では一定程度の自信がついていた。「まぁ、いけるっしょっ!」的な感覚だ。不思議だ。

次はドライブスクールという世界で一緒になった教官たちや教習生さんたち、そしてそんな世界での私の立ち振る舞いについて書こうと思う。

つづく

いまさらバイク その2

初めての教習で“200㎏の鉄の塊”に衝撃を受け、身も心もヘトヘトになった私。

翌日に2時限連続の教習の予約をしていたことを激しく後悔していたのだが、バイクに乗ってアクセル使って走るみたいな教習内容だったので昨日ほど疲れることはなかった。教習所内の周回道路をグルグル回って、シフトチェンジを行い30km/hまで出して停止する。。楽だし、楽しかった。

でもね、普段の車の運転だったらアクビが出そうな時速30kmも、初めてのバイクとなるとそうはいかないのよw

右手でアクセル回して速度を上げて、シフトアップのタイミングで右手のアクセルを戻し、左手でクラッチを切って、左足のつま先でシフトレバーを上げる。これを同時に行わないとスムーズなシフトチェンジが出来ずもたつく。これを繰り返し、ローから3速まで挙げて30キロまで出す。教習所内の短い直線区間でこれらの作業を初心者がやるのは・・なかなかねw

普通二輪の教習プログラムというのは、基本的に全国共通だ。すでに普通自動車免許を持っている人の場合、「第一段階」と言われる教習時間は9時間(50分×9回)、「第二段階」は8時間、それぞれの段階の最後に教官による“見極め”が行われ、OKが出れば次の段階(第二段階、あるいは卒業検定の受検)に進むことができる。NOならば補習を受けることになる。

もちろん各段階の途中の教習でも、その教習内容が十分にできていない場合は補習、もう一回同じ教習となる。

すると、申し込んだ内容によっては補習のたびに追加費用が発生する。うちスクールの場合、一回3300円。私は「安心プラン」というオプションをつけていたため追加費用は発生しないプランになっていた。ノーマルプランより1万円ほど割高だったが補習はいくつ受けても無料という安心感には代えられなかった。

教習の取り方にもルールがあって、教習生が自分で“予約”を入れていくのだが、第一段階は一日2時間まで、第二段階は一日3時間まで可能なのだが間に1時間以上の休憩を入れるのが必須となっている。

教習の予約の取りやすさはスクールによって違うようだが、私が通ったスクールも決して取りやすくはなかった。下手をすると次の教習まで丸々一週間空いてしまうこともしばしばあった。そうなると、せっかく覚えた感覚が忘れてしまいそうで、焦ったものだ。

私としては、予約さえ取れれば有休を取ることもいとわないつもりだったのだが。。。常にスマホの予約画面をチェックして、キャンセルが発生していないか監視していた。

しかし、別のスクールでは9月に入校しても最初の教習は10月中旬からと言われていたので今回通ったスクールはマシなほうだと思う。

結局、私の場合、卒検を受けるまでに補習は1回ついた。第一段階で出てくる「一本橋」という低速走行技術の教習で、この時は取り憑かれたように失敗した。この時の指導教官の「なぜ?」という表情が忘れられないw
すぐ後で受けた補習では問題なくOKがもらえたのだが・・・不思議だ。

ただ、一本橋に限らず、どの教習でOKが出ても個人的に納得がいかない部分が常にあった。「なぜ、自分ができているか」がうまく解っていないのだ。なので、次もできるか自信が無いし、実際、前回は問題無くできていたことが今日はギクシャクすることも多々あった。

次回はそんな私が行った涙ぐましい努力の部分を書きたいと思うw

つづく

いまさらバイク その1

先週末、バイク教習の卒業検定に合格、晴れて普通二輪免許の取得することとなった。

実技教習が始まって約一ヶ月。

一ヶ月というと短くも思えるが、本人的には結構必死w だったので、まだ一ヶ月しか経っていないのか、と思えるほど濃密な時間だった。

最初の実技教習(一回の実技教習は50分)
初めての教習を受ける3人が一人の教官から指導を受ける。他に、さまざまな段階の教習生が他に6〜8名。3〜4人の教習生を一人の教官が担当するようだ。数十m四方のバイク教習場の中、10人前後の教習生と3人の教官とバイクが動き回るのがバイク教習の世界だ。

最初の教習内容はホンダCB400S Fという教習車を押して移動させたり、倒れた状態から起こすといった練習から始まる。ここで衝撃をガツンと受ける。とにかく重い! 200kg以上の鉄の塊、しかも2輪という不安定な鉄の塊を、周囲の邪魔にならないように、倒さないように動かすのだ。「こんなに重いのか!」と心の中で叫んでしまった。いや、少し口に出していたw

そんな教習生達の戸惑いに構う事なく教官どのは「次」のメニューを指導する。

何せ50分という限られた時間制限の中、一人の教官が3人の教習生を受け持つシステムなので「いちいち立ち止まって一人一人丁寧に教える」ことには一定の限界がある。まずは、やって慣れろ、という感じだ。

バイクの取り回しが一通り終わった20分後にはバイクに跨りエンジンをかけて「半クラッチ」を学ぶ。自動車でMT車を何年か運転していた20年以上前の記憶が蘇る。

半クラから発進。そのままアイドリング状態でノロノロと進む。教習3人組が3台並んで円を描くようにノロノロと回る。最後尾だった私、先行車が急に止まったのでこちらも急ブレーキ!そしてバランスを崩してバイクごと倒れ込む。いわゆる「立ちゴケ」だw 
何せ200kgの鉄の塊。少しでもバランスを崩すと力で支えるなんて無理!無理!無理!

以後、卒検までの一ヶ月間で私は10回くらい立ちゴケをすることになる。そして、その度にバイクを起こすのが上手く速くなる笑

そんなこんなで一限目のバイク教習を受け終わった。時は9月、残暑真っ盛りの時期で汗ぐっしょり、バイクの取り回しという思わぬ重労働にヘトヘトになった。次の教習は明日の日曜日。ドライビングスクール入校したての頃、何も考えずに2時間連続で予約していたのだが、今回の教習を受けて後悔の思いを強くした。二時間連続なんて身体がもつのか、とw

下校の時間、スクールの休憩所でさっきまで一緒に教習を受けた若いにいちゃんを見つけた。お互い目が合ったので「とにかく重かったねぇ笑」と話しかけると、相手も同じ感想を持っていたようでお互いの感想をあれこれと話した。

笑いながら話たのだが、心の中では「少しバイクを甘く見ていた自分」を心底自覚していた。明日以降の教習に向けて気合を入れ直すことになった。

つづく

追伸
一真くんの内定報告/社会人生活スタートの書き込みに、おっさんのどーでもいいバイク話を書き込むのは一瞬躊躇したw でも、ぼちぼち書いていくよ