東スポ。東京スポーツ新聞社。大阪では大阪スポーツ。「大スポ」として販売されている。
ご存じのように駅売りのスポーツ新聞。ネタ記事を一面トップに掲げる紙面づくりは他社と一線を画す。
今では東スポの記事と言えば「ウソ」「ジョーク」と捉えられるのが社会常識といえるが、私が若かったころはその存在も知らず、ましてや売られている新聞に「ウソ」が一面トップに乗ることなんて知る由もなかった。
そのころのお話。
大阪の中心地・梅田の駅で見つけたその新聞に目が釘付けとなり、おそらく人生初めてスポーツ新聞を購入した。お金を渡して、すぐに大スポの一面記事を食い入るように読んだ。その時の新聞記事(東スポ版)がネットオークションに出ていた。
今となっては微笑ましい話に思えるのだが、当時はその記事のことを友人に話し、そして笑われて恥ずかしい思いをした。その後、福岡にも同じ系統の九州スポーツ、「九スポ」というのがあることを知った。
大スポ(東スポ)について、職場のインテリ上司が毎日購読していると聞いて、質問してみた。その上司は月に2~3万円も本に費やす読書家であり、新聞も四大紙に毎日目を通すほどのインテリなのに、なぜ大スポを買って読んでいるのかと。
いわく「この新聞は他の新聞では絶対書けない記事がある。それこそ本当の事からウソのことまで」
「はぁ。。そうですか」と、よくわからない顔をすると、その上司はゲラゲラ笑い飛ばしていた。このシーンも鮮明に記憶に残っている。
自分の理解できないものを理解している人がいる というが気になって仕方がなかったのだろう。
その当時の上司より年上になった今の自分だが、この懐かしい新聞記事を見ながら当時のことを思い出し、未だに上司の境地には達せないなぁと思うのでした。